ジェットフィンガー 横関敦
2005年 04月 04日
でもでも、ただの速弾き野郎ではないですよ。はい。
この人とにかく右手のピッキングが恐ろしく正確で速い。一音一音しっかり弾くタイプですな。
どんなに高速なフレーズでもちゃーんと一つの音が主張しているのですよ。それがスバラシイ。
そして、幅の広いビブラートがまた良い。
楽曲もメロディがしっかりして、ギタリストの自己満足的なアルバムではなく総合的にもクオリティの高いギターインストに仕上がっている。
一番のオススメは元筋肉少女帯で現特撮のピアニスト三柴理(江戸蔵)との三部作の二作目「SEA OF JOY」。トータルコンセプトもさることながら、楽曲が素晴らしい。切ない系の曲は特に秀逸の出来。彼のメロディって日本人だからかどこか優しくて泣けるのだ。
奏法的にも当時話題だったスイープやタッピングに頼らず(味付けでは使っているけど)ガンガンオルタネイトで攻めているのも男気溢れている。そう言えば確かシンリジー時代のジョンサイクスとか結構好きだったような発言をしていた気もする。
ベースには今は亡きフレットレスの達人諸田コウ、ドラムにはそうる透が参加している。
三柴とのバトルもスリリング。三部作の一作目「DINOSAUR」の方がテク的には聴き所も多いが、総合力ではやはりこちらに軍配が。
それと、彼の異色作として「RAID」というアルバムもオススメです。渡米し、三柴以外は全て外国人を起用。楽曲も自分と三柴の共作インストが半分、米人への外注のヴォーカル曲が半分と変り種の内容。参加者はボーカリストに元バッドランズのレイギラン、ジェフピルソン、ギタリストにブラッドギルス、クレイグゴールディ、ジェイクEリー、ベーシストにTボガート、ルディサーゾ、ドラムにCアピス、RATTのボビー(巧くないけど)など豪華なメンツ。完全に洋楽なアルバムです。歌ものバックに横関が堂々たる弾きっぷり。良質なアメリカンハードロックな仕上がりです。個人的にはM4でのブラッドとのソロバトルが面白いかな。横関はナイトレンジャーの相棒ジェフワトソンの参加を希望したらしいが、コーディネーターが間違ってブラッドに発注しちゃったっていう笑い話もあるが、ブラッド燃えて弾きまくってます。アーミングも相変わらず大胆ですな。
裏的内容だがこの作品も聴いて欲しいです。
そして、横関と言えば筋肉少女帯の名盤「シスターストロベリー」は外せませぬ。ややトレブリーなギターがこれでもかと言うほど攻めに攻めまくり。ピッキングハーモニクスもエグイ音出してます。実は筋少ってリズム隊もなかなかのもの。さりげない変拍子など聴き所も多い。しかし三柴のクラシックピアノ魂が横関と真っ向から対決してて楽しい。大槻ケンジのインパクトもスゴイが演奏がまたスゴイ。もっと一般にも日本のROCKの名盤的扱いをさせてあげたいっす。
去年かな?久しぶりにオールインストのアルバム出したけど、もっともっとバリバリやって欲しいギタリストなのでした。