GITの仙人 TJヘルメリッチ
2005年 04月 11日
8フィンガーのみでギターを操る仙人TJヘルメリッチを知ったのは、フジテレビ深夜に昔やってたギター好きにはお宝番組「寺内ヘンドリックス」のギター侍(波田陽区ではない!西山毅のことです!)のコーナーでだった。
いきなり愛器スタインバーガーを軽く構え両手で高速レガートフレーズをニコニコ顔で連発しており唖然とさせられたものでした。
早速アルバムを聴きたいなと思い苦労して探し当てたのが以前紹介したネルソンのリードギタリストBRETT GARSEDとのデュオアリバム「QUID PRO QUO」と「EXEMPT」でした。両者のテクニックがぶつかり合うハードフュージョンの内容でなかなか気持ち良いアルバムです。二人のヴォーカル曲もあり、結構良い味出してます。ただ、全体的に曲がやや似通っていることと、二人共にレガート系の流麗でアタックの少ないサウンドを得意にしていることが少し飽きを促させたたのも事実です。多少物足りなさを覚えるのはそこなのでしょう。
ただ、2ndのほうはその辺を多少意識したのか変化を付けており個人的には今でも時折聴く佳作だと思いますよ。
この二人がさらに進化したアルバムを作ってしまったのですよ。これは絶品でした。「UNCLE MOE'S SPACE RANCH」がそれ。ドラムに凄腕デニスチェンバースを迎え、ベースとキーボードにゲイリーウィリス・スコットキンゼイのトライバルテック組を召集、5人で壮絶な演奏をぶちかましています。やはり全員が凄まじいテクニシャンであり密度の高いハイテンションな空間を構築しており、前述のアルバムとは全く別物な仕上がりです。よりインプロバイズ主体な楽曲が増え、ギタリストの二人もテクニックは言うもがなサウンド的にも素晴らしいギターを奏でてます。相乗効果って奴ですね。TJもレガートからアバンギャルドなフレーズが全開。相棒のブレットもテレキャスターのアタッキーなサウンドを全面に出し好フレーズを叩き出してます。これは聴けば聴くほどジワリと効いてきます。ラストのM8だけはやや今までの爽快フュージョン系でこれはこれで良いアクセントになってると思います。2002年リリースですが廃盤間近(笑)でしょうから即購入をオススメします。このメンツでの新作が聴きたい!!!
ところで、TJがキャッチーなバンドに加わるとどうなるか・・・?それは再結成したAUTOGRAPHのアルバム「BUZZ」でお確かめを。再結成っていってもオリジナルメンバーはSTEVE PLUNKETTのみで、当然タッピンガーのSリンチはいません。その分TJがリードギタリストとして激テクレガートフレーズで攻めまくりです。いかにもアメリカンなHRが展開されています。こんなTJもたまには良いのかも。
TJはギタリストとしても凄腕ですが、レコーディングエンジニアとしての評価もかなりのものらしいです。トライバルテックものも数作手がけているしMIではそちらの講師もしているそうですよ。
何はともあれTJヘルメリッチ一度チェックしてみてください。