和製ロックの心 サディスティック・ミカ・バンド

もし外国人の友人に

「イカした日本のロックバンドのアルバムを聴かせてくれ」

と問われたならば、、、あなたは何を紹介しますか?

オイラは迷わずこれらを挙げることでしょう!

・四人囃子「一触即発」
・フライドエッグ「ドクターシーゲルのフライド・エッグ・マシーン」
・サディスティック・ミカ・バンド「黒船」
・カルメンマキ&OZ「カルメンマキ&OZ」
・近田春夫とハルヲフォン「電撃的東京」
・JL&C「FREE SPIRIT」

和製ロックのオリジナリティーと卓越した演奏技術、、、1970年代前後には本当に素晴らしいバンドが沢山存在していたんですよね。。。そう考えると最近はちいと寂しいかも、、、

というわけで、今回は木村カエラ嬢を迎え、奇跡の再結成を果たし、最近何かと話題の多いこのバンドを!

そう、サディスティック・ミカ・バンドです!

オイラは超名盤と誉れ高い2nd「黒船」と高校時代に出会いました(佐藤君ありがとう!)!!!
和製ロックの心 サディスティック・ミカ・バンド_c0064706_1629387.jpg

メンバーは、
加藤和彦(vo・g)、ミカ(vo)、高中正義(g)、小原礼(b・vo・per)、高橋幸宏(d・per)、今井裕(k・sax)
という日本音楽界を支えてきた重鎮ばかり。

コンセプトアルバム的な作りが冴え渡る本作品。とにかく楽曲、サウンド共に素晴らしい仕上がりです。ロキシー・ミュージックの前座として英国をツアーすることになる実力は申し分ありません。

オイラは特にA面がお気に入り!曲間を無くして畳み掛けるこの雰囲気にKO間違いなしっす。

幻想的なキーボードにフィードバックギターが重なってくる緊張感溢れるイントロが印象的なM1「墨絵の国へ」から何かが起こりそうな予感でいっぱい。浮遊感がありながら、やはり和の匂いを感じさせるこの曲、すでにかなりの完成度です。

インストのM2「何かが海をやってくる」では、小原礼のズ太くうねるベースイントロに絡まってくる高中のギターがまたクール。チョーキングばりばりのロックフレーズは男気が満タン。ナチュラルな真空管アンプだと思われる歪みも心地良いっす。クロスオーバー全盛期の頃は色気あるサウンドが売り(?)だった彼ですが、この頃はビックリする位ロッキンなギターを奏でています。フィードバックも巧く楽曲に溶け込ませています。かっこええのおー。

誰もが知っているM3「タイムマシンにおねがい」は、2本のギターが絡み合うロックンロールなバッキングが印象的。ミカのヘタウマなヴォーカルもグッド。技術的にはミカ、桐島かれんよりも木村カエラ嬢ヴァージョンかもしれませんが、やはり原曲の強さはサスガです。

そして、来ました~超名インストの組曲「黒船」です!3パートから成り立つこの楽曲、全くもって隙がありません。

M4「黒船(嘉永六年六月二日)」
ド頭の高橋幸宏の鋭いドラミングがヤバすぎます。締めのハイハット2発で失神っす(笑)歌うように奏でられるギターメロがいいんです。ツインのハモリになり、盛り上がっていく部分なんかもうたまらんっ。

M5「黒船(嘉永六年六月三日)」
ピアノの繊細なフレーズで小休止かと思いきや、躍動感溢れるメインテーマがギターで紡がれるとまたまたテンションが上がって来ます。ギターとヴォーカルシャウトの掛け合いがまたね、リズミックで良いんですわ。しかし、このベースのグルーヴは危険です。。。ドラム含めリズム隊がスゴイのよ、本当に。

M6「黒船(嘉永六年六月四日)」
一転してヴォリューム奏法による静かにメロディックに歌い上げていくギターが涙を誘うこの曲。チョーキングが咽び泣いています!ゆっくりスケールを上昇していきトレモロに続いていくラストの場面なんかもう感動すら覚えます。

「黒船」での緊張感からM7「よろしくどうぞ」のチンドンフレーズで開放された後は、ワウギターのリズミックなカッティングとアジアンテイストのキーボードフレーズ、これぞお祭りな歌詞がインパクトなM8「どんたく」へ。
サビの「それがどんたく お祭り騒ぎ 七日に一日は 仕事もお休みさ」という歌詞には、まだ週休二日制が日常化する以前なんだなと感じさせられ、妙に感慨深いっす。

M9「四季頌歌」はゆったりとした和の切ないメロディーが印象的。転調後のペンタトニック王道の泣き泣きギターソロは名演でしょう。

M10「塀までひとっとび」は小原作曲のファンクグルーヴィーな佳曲。このベースの跳ねっぷり尋常じゃあありませぬ。極太なのに軽やかでうねってるんだから、、、日本人離れもここまで来るとホンモノです。高中のワウワウギターソロもコンパクトにまとまっており説得力があります。

M11「颱風歌」は締め前に相応しいアゲアゲな雰囲気が気持ち良いです。軽やかに刻まれるカッティングによるバッキングが最高です。間奏部後半のギターオーケストレーションにはヤラレまくりです。。。

M12「さようなら」で切なくしっとりとエンディングを迎えます。加藤和彦のフォーキーな側面がここで味わえますな。

という怒涛の12曲構成による名作が「黒船」です。しかし、1974年の作品にしてこのクオリティーには脱帽です。日本を代表するロックバンドが作り上げた世界にも通じる名盤だと信じて疑いません。激必聴です!
和製ロックの心 サディスティック・ミカ・バンド_c0064706_16293189.jpg

デビュー作にしてミカバンド流ロックンロール満載の1st「サディスティック・ミカ・バンド」もぜひぜひ!絡み合うツインギター、うねりまくるベース、躍動感溢れるドラミングとすでに素晴らしい完成度を誇っています。こちらも屈指の名盤でしょう。

高中正義が盟友等と共に「黒船」のA面を含むミカバンドの楽曲を中心にしたLIVEを収録した「SADISTIC TAKANAKA」もなかなかの仕上がりです。とにかく高中のストラト(高中モデル)が素晴らしい音を聴かせてくれます!
和製ロックの心 サディスティック・ミカ・バンド_c0064706_16294847.jpg

歌ものもほぼ全曲インストにアレンジされており、ギター好きには楽しめる好盤です。しかもツインンギターの相棒はあの野呂一生ですからっ!ベテランな豪華バック陣(斎藤ノブ・重実徹・小島良喜・伊藤広規・宮崎まさひろ)もそつなく隙なくパワフルかつ技術的な演奏で盛り上げてくれます。安心して聴けるLIVEアルバム(褒めてないか?)という大人な作品かもしれません。

まとめると、簡単な話、まずはミカバンドを聴いてくれってことなんです。ギターだなんだのという薀蓄は一切無視して頂いて(笑)ただ単純に日本を代表する稀有なバンドの音楽を味わって欲しいだけなんです!よろしゅうに!
Tracked from OOH LA LA - .. at 2007-02-22 22:43
タイトル : 黒船/サディスティック・ミカ・バンド
黒船サディスティック・ミカ・バンド [試聴]iTunes Music Store  元フォーククルセイダーズの加藤和彦率いる、当時日本のロック・シーンにおいて最先端のサウンドを聴かせたサディスティック・ミカ・バンドの2ndアルバム(1974)。グラム・ロック、ブギー、ファンク、フュージョンなど...... more
Commented by ドイツ特派員 at 2007-02-07 21:31 x
Sorapapaさん、

黒船、「Super Takanaka Live」の名演がとにかく素晴らしいっすよね。確かにイカしたロックバンド、日本を感じさせながらロックになっているバンドばっかですなあ。邦画が洋画を抜いたのと同様、邦楽だって頑張ってほしいもんです。

ということで最近はSiam ShadeとSixrideになってます。
Commented by sorapapa227 at 2007-02-10 23:13
ドイツ特派員さん
サスガですねえ。高中もお好きなんですな。こちとら彼はやや勉強不足でして、、、アルバム4枚位しかチェックできてません(苦笑)クロスオーバー系は弱点かもしれません(笑)名盤を教えて下さいませ。あ、DAITAは僕もかなり好きですよ~シャムもヴォーカルの声苦手だけどアルバム3枚持ってますぅ(笑)
Commented by ドイツ特派員 at 2007-02-12 14:21 x
Sorapapaさん、

私の年代(40歳前後)だと高中っていうのは本当にスーパーギタリストですから。サンタナとのコンサートも岡山から大阪まで見に行ったし、岡山公演も行きました。ただですね、岡山っていうのは盛り上がらないんだコンサートが。

何はともあれパイオニアのコマーシャルですなあ、高中は。
Commented by sorapapa227 at 2007-02-17 18:21
ドイツ特派員さん
おお、なんとサンタナ親父との競演も見られているとは・・・
LIVEの盛り上がりって地域格差がありますからねえ、、、
僕が名古屋在住だった時なんか洋楽系のアーティストが軒並み小さな箱でGIGをやってくれたんで(チケットがはけないだけなんですが)嬉しい限りでしたが(笑)
名前
URL
削除用パスワード
by sorapapa227 | 2007-02-04 16:15 | 音楽 | Trackback(1) | Comments(4)

音楽やギタリスト、食、サッカー、散歩など、程よくテキトーな日常日記


by sorapapa227
カレンダー