HISASHIのギターはハイパーです!
2008年 02月 17日
っていっても、GLAYのHISASHIでもなければ、BUCK-TICKのHISASHI(今井寿)でもありませんよ~
ハイテク・ミュージシャン(死語)に拘った今は亡きインディーズ・レーベルB-MAGICから記念すべき第一弾となるアルバムをリリースしたHISASHIです!
HISASHI『RADIANT HEAT』
M1.昭和20年8月6日午前8時15分
M2.広島型原子爆弾
M3.放射線熱
M4.人影
M5.閃光火傷
M6.夜泣き、癇虫、下痢、発熱
M7.黒い雨
M8.侵略者
M9.永遠の戦士
M10.汚れなき魂
全10曲収録のオール・ギター・インスト作品なのですが、楽曲名からも想像できる通りHISASHIの故郷でもある広島で起きた歴史を背景に描かれたコンセプト・アルバムとなっています。
タイトルを見る限り難解な重い印象を与えるかもしれませんが、かなりテクニカルで痛快なギター・インストに仕上がっていますので、無問題ですよ!
演奏、プログラミングも全てHISASHIがこなしているので、打ち込みのリズムの軽さ、チープさ(1994年作という時間的問題もありますが)は気になってしまいますが、ギターはなかなかキテますよっ!テクニカル嗜好のギター・インスト好きには受け入れられるハズ!
前奏とも言うべき2曲に続き奏でられるM3のイントロから緊張感があります。さりげなくクリーントーンで挿まれる和音階のメロなどニクイ演出です。
しかし流麗なフレーズはヴィニー・ムーアなどを彷彿させますな。いかにもネオクラシカル一辺倒というのではなく、チョーキング、複音などとスウィープなんかのバランスも良くなかなか好みです。高速フレーズなんかも刺激だし。
まあ、プレイ自体が巧いんだけどあっさりしており、泣きなんかにはもう少しねっとり感が欲しかったりもしますが。。。
さらりとM7のようなアコースティックギターも挟み込んでおりアルバム全体の作りも意識しているのでしょう。ガットギターの優しくもの悲しいメロディが染みます。
M8はやや跳ね気味のファンクメタル的な楽曲。エクストリームの影響でしょうか(笑)スライドで紡ぐフレーズ、音程差の大きい流れるようなスケールフレーズなんかも印象的で結構好きです。
全体的にはマイナー調のやや重めで哀愁メロの楽曲が多いんですが、ギタープレイはなかなか耳を刺激させてくれます。もう少し明るい楽曲があっても良いのかなと思いますが、まあコンセプトがコンセプトですのでね。。。
ただ彼は、以前紹介しましたB-MAGICのコンピ盤に提供した曲などメジャーキー系の楽曲でもかなり良いライティングセンスがあるようなので、もう少しそっち寄りのモノが聴きたかったなという思いは正直あるんですね。
とはいえ、テクニカル・ギター、ギター・インスト好きには一応オススメ出来るクオリティなのでぜひ。
そうそう、HISASHIがJ-POPのフィールドでギターを奏でると・・・ということでコイツです!
吉田朋代『ダイヤモンドエクスプレス』
まさに90年代J-POP歌謡曲のヴォーカリストというサウンドです。彼女にとっては2枚目となるアルバムだそう。
オイラは彼女には何の関心もないのですが、HISASHIがギタリストとして全面的に参加していると言う理由だけでGETです(笑)
いきなりM1「TURNING POINT」からHISASHIのテクニカル節が炸裂しています(笑)
軽快なコードカッティングによるリフ、ディレイを駆使した王道バッキング、ツインハーモニーやピッキング・ハーモニクス、アーミングでニヤリとさせられるオブリなど楽しませてくれます。
一番の見せ場は思いっきりフィーチャーされているギターソロ!いきなり高速スウィープで目が覚めます(笑)後半部はインギーの得意技でもある1~3弦を使った6連スウィープの連続押せ押せフレーズにスケール駆け上がりを絡めて締めっ!気持ち良いですな。
羽田一郎のペンによるM6「悲しみのカウントダウン」での大人のギターワークも好みです。薄めのディストーションの歪みが心地良いサウンドでのコードカッティング、ハモリンの高速オブリなどツボですねえ(単純)ギターソロは伸びやかにロングトーンで歌いアーミングかまし速弾きにシフトチェンジ、、、コンパクトながらカッコ良いですねえ。
M7「SHOUT」でのヴァイ直系のアーミング+スライドフレーズなどさり気無く魅せてくれます。
まあ全般的にはヴォーカリストのバックギターなので、スタジオ・ミュージシャン然とした無難なプレイが多いのですが、出るところは出てくれるのが嬉しいですね。他にも松原正樹、古川昌義などのベテランも堅実なギターを聴かせてくれます。とはいえ、打ち込み、シンセサウンドがベースなのでね、あまりギターが活躍し過ぎる訳にもって感じでしょうか(笑)でも逆にそんなサウンドだからこそ、肉感的なギターサウンドがちょっとした部分でも目立ち、耳を刺激してくれるんですけどね~
この作品に関しては可もなく不可もなくですから(苦笑)HISASHIのギターがどうしても気になってしまうというマニアなあなたにだけオススメしちゃいます(笑)多分中古市場にトンデモない安価で捨てられているハズですので~