早過ぎた天才 Dr.SIEGEL(ドクター・シーゲル)
2005年 09月 02日
Dr.SIEGEL(ドクター・シーゲル)こと成毛滋(なるもしげる)ですね。
元祖天才ロックギタリストです。早過ぎた天才ってやつでしょうね。
オイラは雑誌とかCDライナーとかで彼の名を知りました。
当時の写真を見て愕然・・・ただのジジイでした。ハゲてるし。
しかししかし、ギターを弾き出すと、あるいはギターを語り出すとスゴイの熱いのなんのって。なんせジジイが普通にタッピングだのスウィープだのってサラリと語りだすもんで、ビックリ。なんじゃコイツはと思ってちょこっとだけ追っかけてみました。
で、彼の音源として最初に聴いたのが、伝説のバンド“フライド・エッグ”なのでした。
1st「ドクター・シーゲルのフライド・エッグ・マシーン」はホント素晴らしかったっす。
とても1972年の作品とは思えないほどのクオリティーの高さ。
当時としてはかなり最先端な(強引な)レコーディングをしてたらしいです。
演奏の方も脱帽の内容。メンバーは成毛滋(G・K・Vo etc.)、角田ヒロ(D・Vo)、高中正義(B・Vo)のトリオ編成。
いかにも70年代らしいハードロックが基本だが、プログレ的な匂いもチラリ。ディープ・パープルとかユーライア・ヒープ、ELPみたいな雰囲気かなあ。まあとにかく非常にオイシイ作品です!ジャケットもえー感じなんすよ。故・景山民夫氏によるものですね。
まず成毛のアグレッシブなギターは技術的にも最高にいい感じ。泣きなフレーズも良いですねえ。また彼は鍵盤もモノスゴイんですよ。キース・エマーソンも真っ青な演奏力でバンドの聴かせどころになってます。なんせ「オケカス」って曲があるくらいなんで(ELPのタルカスに対抗してのオマージュってか)。
そしてやはり主役は角田ヒロのパワフルかつ手数の多いドラミングか。また彼のヴォーカルがまた素晴らしい。うむ「メリージェーン」は伊達じゃないっす。バラードとか緩い曲には絶大な力を発揮してます。濃ゆすぎるって意見もありますが(笑)
そして、さらには高中正義のうねるベースですよ!!ギタリストの彼に無理矢理(笑)ベースを弾かせた成毛はサスガ!ギタリスト然としたベースのお暴れっぷりは好感触です。
2ndにしてラスト作の「グッバイ・フライド・エッグ」もこれまたサイコーなアルバムです。
LIVEとスタジオ録音が半々に混じったある意味中途半端な作品だが、やはり内容はスゴイ。
LIVEの実力もイヤって程よーくわかるしねえ。とにもかくにもカッコよいんですよ、ハイ。
特にM8「521秒間の分裂症的シンフォニー」は強烈、痛快なインスト!!!
諸にプログレですね。前半から成毛のシンセ、ピアノが大活躍。中間部、後半部のギターの泣きっぷり、サウンドも素晴らしい。さりげないアコギもね、いい味出してます。この展開の激しさにはもうズゴンときますね。
いやいやホントこのフライド・エッグ、ぜひ聴いて驚いて欲しいですね。
温故知新、良い言葉じゃあないですか。新しいものばかりじゃあダメダメ(笑)偏見はやめて何でもトライしてみましょうよ。その方がより新しい発見に繋がるかもしれないでしょっ!!